
文化ーホールでの子ども向けの自主事業を毎年企画していると、演目選びの基準は自然と決まってきます。
これらは、どれも欠かせない基準です。
ただ、この基準だけで選び続けていると、気づかないうちに「無難だけれど、印象に残りにくい演目」ばかりが並んでしまうことがあります。
集客数は前年並みで、アンケートの満足度も悪くない。
けれど、その公演が「このホールでしか観られないもの」だったかと聞かれると、少し答えに詰まる。
そんな感覚に心当たりのある担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

文化ホールでの演目を検討するとき、内容やジャンルに加えて、オススメの視点があります。
それは、客席の子どもたちがその演目に「参加できるかどうか」です。
多くの子ども向けコンテンツは、優れた作品であっても、基本的には「見る」ための設計になっています。
舞台の上で物語が完結し、客席はそれを鑑賞する立場です。
一方で、参加型として設計された演目では、客席の反応そのものが公演の一部になります。
子どもが声をかける、手を挙げる、歌う、ときには舞台に上がる。
その一つひとつが、その日、その会場でしか起きない時間をつくります。
同じ演目でも、公演の日によって、子どもたちの反応も、生まれる空気も違う。
この「一回性」こそが、映像コンテンツやキャラクターグッズでは代えがきかない、ホールで生の舞台を届ける意味だと思います。

参加型の演目というと、真新しいコンテンツを不安に感じる担当者の方もいるかもしれません。
ただ、知名度と参加設計は対立するものではありません。
たとえ初めて出会う物語や音楽、キャラクターであっても、開演前のわずかな導入と、客席を巻き込む設計があれば、子どもたちは数分でその世界に入り込みます。
「知っているから安心して観に来る」演目と、「知らなかったけれど、参加して夢中になった」演目は、どちらも来場後の満足度につながりますが、後者には「またこのホールで、何か新しいものに出会いたい」という期待が残りやすいという特徴があります。
これは、単発のイベントとしてではなく、ホールの自主事業を継続的なブランドとして育てていきたい場合に、特に意識しておきたい違いです。
物語、音楽、映像、演出のすべてが既存の枠組みを借りずにつくられているオリジナル演目には、参加設計以外にもいくつかの利点があります。
それは、
版権や使用許諾に関する制約が少なく、会場や地域の特色に合わせて演出を調整しやすいこと。
同じ演目を、乳幼児向けの短縮版から、小学生も楽しめる構成まで、対象年齢に応じて柔軟に組み立てやすいこと。
そして何より、「このホールが選んだ、他では観られない演目」として、広報の中でも語りやすいことです。
自主事業の実施報告や次年度の企画書において、「なぜこの演目を選んだのか」を説明しやすいことも、担当者にとっては見落とされがちですが実務上重要なポイントです。

参加型音楽絵本ファミリーステージ『ライブ絵本ルーミーパーク』は、物語・音楽・映像・振付のすべてをオリジナルで制作した、客席参加を前提に設計された0歳から保護者まで楽しめるファミリーコンサートです。
作者本人が舞台に立ち、キャラクター「ルーミー」とともに子どもたちを物語の世界へ案内。
子どもたちは登場人物に声をかけたり、問いかけに答えたり、生演奏に合わせて歌ったり、ときには舞台に上がって物語の一部を担ったりしながら参加します。
0歳の乳児から小学生まで、幅広い年齢の子どもがそれぞれの形で関われるよう構成されているため、乳幼児向け自主事業から、就学前後の親子を対象にした企画まで、対象年齢に応じたご提案が可能です。
「知名度のあるコンテンツと、参加型のオリジナル演目、どちらが自館の自主事業に合うか判断したい」
「これまでとは違う切り口の演目を、一度検討してみたい」
そのような段階でのご相談も歓迎しています。
会場の規模、想定する対象年齢、予算感などをうかがいながら、その施設に合った公演内容をご提案します。
詳しくは「ライブ絵本の上演依頼について」をご覧ください。