
絵本作家の祐彩(ゆうせい)です。
絵本の読み聞かせ時間は、ただページをめくるだけでなく、ときには笑いあい、ときには「なんで?」が生まれる。
そんなやりとりこそ、絵本の読み聞かせのいちばんの魅力だと思うのです。
絵本『コロネのおしりはどっち?』は、親子で思わず笑ってしまう「おしり談義」がはじまる絵本です。
物語の主役チョココロネが「自分のおしりはどっち?」と悩む…。たったそれだけの話なのに、読み聞かせをすると、子どもたちはいろんな方向から考えはじめます。
太いほう?細いほう? 小さい方?大きい方?
絵本を読み進めるたびに、子どもたちは次々と意見を出してくれます。
「こっちから食べるから、あっちがおしり!」
「でもチョコが出るのは反対だよ?」
そんな会話が自然に生まれる絵本時間は、まさに親子の対話が育つ瞬間です。
絵本の読み聞かせを通して、子どもたちは「考える」「話す」「聞く」「感じる」etc.をあそびの中で体験していくのですね。
私、祐彩(ゆうせい)は、ライブ絵本ルーミーパークのあるサイン会終了時、2歳の女の子にこの絵本の読み聞かせをしたのですが、ページをめくるたびに、こっち、あっち…と真剣なまなざしで指を指してくれたのが印象的でした。
絵本『コロネのおしりはどっち?』には、はっきりした答えは用意されていません。
読むたびに違う発見があり、子どもによって感じ方が変わる。
「正解がない」ことに、最初はちょっと戸惑う人(主におとな様)もいます。
でもそのうち、「自分で考えていいんだ!」という楽しさを、子どもたちは見つけていくのです。
この自分で考える余白が、絵本の読み聞かせの中での、子どもの成長のきっかけになるのではないかなって思っています。
絵本『コロネのおしりはどっち?』のオススメの読み方は?と聞かれたら、僕はきっとこう答えます。
上手に読もうとしなくても、きれいにまとめようとしなくても大丈夫です。
むしろ、「どっちがおしりだと思う?!」と子どもに問いかけながら(またはコロネが問いかけるように)、一緒におもしろがりながらが、読んでいただけたら楽しいと思います。
おもしろがりながら「違い」を語ることが、子どもにとって「考える」体験になると思うのです。
絵本『コロネのおしりはどっち?』は、子どもだけでなく、大人もくすっと笑えるお話。
「自分だったらどう決める?」そんな会話が生まれたら、それだけでこの絵本の自己重要感はバク上がりでしょう。(作者である祐彩はそんなこと1mmも狙っていませんよ♪)
家族で囲む絵本の時間は、小さな日常の中にある心のあそび場。
絵本を通して、親も子も「自分の考えを持つことのたのしさ」をゆるやかに感じられる絵本になったら、主役のコロネがしっぽを振って喜ぶかもしれませんね。
絵本の読み聞かせで、おしり談義がはじまる。そんな世界にひとつの絵本を楽しんでいただけたら嬉しいです。

心にあかりが灯る体感型絵本ショー『ライブ絵本ルーミーパーク』でも、絵本『コロネのおしりはどっち?』を上演中です。
ぜひ遊びに来てくださいね。