
絵本作家の祐彩(ゆうせい)です。
僕たちは小さいころから、「正しい答えを見つける」ことをたくさん学んできました。
テストでは〇か×か。
授業では先生が教えてくれる答えが正解。
ところが、社会に出ると…。そのルールは、違っていました。
今の時代は、かつてよりもずっと早く変化しています。
生き方や働き方も、価値観も、人とのつながり方さえも。
そんな社会で必要とされるのは、正しいの答えを見つける力ではなくて、自分で問いを立て、自分なりの答えを見つける力。
独立して15年…。これでもか!というくらい、骨の髄まで叩きつけられました。
これは、大人だけでなく、これからを生きる子どもたちにも大切なことだと思っています。
絵本『コロネのおしりはどっち?』の主人公コロネは、自分のおしりがどっちかわからなくて悩みます。
みんなと違って、自分だけがわからない…そんな小さな違和感。
でも、コロネはあることに最後に気づきます。
それは、正解を探すことから、自分の答えを見つけることへの一歩になる。
これはまさに、この社会で必要とされるカギなのではないかと思っています。
コロネ、あなたすごいね!と褒めてあげたいくらいです。
「正解」は、すでに誰かが出した答えだとしたら、「問い」は、自分から生みだせるもの。
コロネのおしり問題は、一見くだらないようでいて、じつはとても本質的な問いを投げかけていたりします。
「どうしてみんなと同じでなくちゃいけないの?」
「自分で決めちゃいけないのだろうか?」
そうした小さな問いはまるで、生きる力を育んでいくれるお母さんのようです。
僕は絵本を、答えを教えるというのでなく、問いを楽しむものだと考えています。
絵本『コロネのおしりはどっち?』には、正解はありません。
でも、読むたびにちょっとずつ違う発見がある。
それは、読む人自身が新しい問いを見つけているから…。なのかもしれません。
子どもも大人も一緒に、「あなたはどう思う?」と話せる時間が、静かに流れている絵本って、素敵ですね。
これからの時代に必要なのは、正解を探す力よりも、自分で問いを立てる力。という持論をペラペラと綴ってきました。
コロネのように迷いながら、ときに立ち止まりながら、それでも「自分の答え」を見つけていくこと。
そんな小さな問いから気づきが生まれ、自分だけの答えを生み出していく…。
これってたぶんきっと、子どもたちの未来を支える大きな力になるのではないかと、僕は思うのです。

絵本『コロネのおしりはどっち?』も、ライブ絵本ルーミーパークで上演中です。生コロネと一緒に、あなたの問いと答えを見つけてみませんか?